効果音のバリエーションを増やすのに苦労したり面倒に感じたことはありませんか?
- ピッチを微妙に上げたり下げたりする
- 組み合わせている効果音素材を入れ替える
- タイムストレッチ機能を使って長さを調節する
これらの作業はたしかに効果は得られるものの、単調で少し面倒でもあります。
Boom Library の「Sound Weaver」はこうした効果音のバリエーションを増やす作業を、より効率的に行える機能を持っています。
キーワードで効果音ファイルを選出
まず最初に素材ファイルを選ぶことから始まります。
あらかじめ自分が素材ファイルを保存しているファイルパス(指定フォルダ)を設定しておき、
そこに対してイメージする効果音のキーワードを入力することで、
キーワードと一致したファイル名の効果音ファイルを選んでくれます。
また、オプションで「Use Metadata」にチェックマークを入れることでファイル名だけでなく、
メタデータからも一致する効果音ファイルを取得することが可能です。
さらに、layer の数値を入力することで何種類選ぶかも設定できるようになっています。
こうして呼び出したファイル群を「Group」という単位でタイムラインに加えることになります。
RANDOMIZEを選択して次へ進みます。
ランダマイズ機能でバリエーションを構築
ライムラインが表示され、先ほど指定した素材ファイルが縦に並んでいます。
「Group」という形で管理し、必要があれば別のGroupをどんどん追加していくことができます。
ここでは刀の斬撃音を想定して、"金属摩擦音"、"刺突音"、"スラッシュ音"、の3つのGroupを作りました。
(金属音:3Layer 刺突音:1Layer スラッシュ音:2Layer )
ここから様々なランダマイズ機能を用いて効果音の聴こえ方を変化させることが可能です。
まず、一番下にある「RANDOMAIZE」をクリックすると
設定したキーワードはそのままにGroup内の素材ファイルがランダムで再構築されます。
再構築された音が気に入らなければ、またRANDOMIZEをクリックすることでさらに別の音が構築されます。
こうしてクリックしていくだけでどんどん組み合わせが変わり、自分の気に入った音が構築されるまでクリックすることが出来ます。
また、指定の素材ファイルは残しておいて残りのファイルだけランダマイズすることも可能。素晴らしいですね。
ランダマイズできるのは素材ファイルの組み合わせだけでなく、各素材ファイルのピッチをランダマイズすることも可能です。
画面左下にある「Randomize Pitch」から変化率を設定し、横にあるサイコロマークをクリックすることで各素材のピッチが変動します。
さらに、各素材のポジション(再生位置)もランダマイズ化することが可能です。
ポジションをランダマイズ化すると主にアタック感の聴こえ方が変化します。
ピッチの項目と同じやり方で数値を入力してサイコロマークをクリックすることで各素材のポジションが変化します。
この2つの項目は表示されている素材ファイル全体に適用されますが、
Groupごとにランダムピッチ、ランダムポジションを設定することも可能です。
気に入った設定をスナップショットする
気に入ったランダム設定があれば、それを記憶しておいて後で呼び出すこともできます。
操作は簡単で画面右側にあるSnapshotsから+ボタンをクリックするだけです。
ただし、素材の入れ替えまでは記憶できなかったのであくまでピッチやポジション、
ボリューム、パンなどの設定を記憶するための機能のようです。
「さっきの素材組み合わせが良かったので戻りたい!」ということは頻繁に起こりそうなので、
ここは素材のランダム化まで記憶対応してもらえるとうれしかったですね。
ちなみに素材入れ替えのRANDOMIZEをクリックすると、これまでのSnapshotsは設定が消えてしまうので、
設定を調整した後にRANDOMIZEをクリックするのは要注意です。
万が一、間違えて押してしまった場合は、UNDO機能で戻れます。
※2020年11月のアップデートにより、Snapshots機能に素材を記憶することが可能になりました!
これにより上記の問題は解決されています。
DAWにエクスポートする
作成したバリエーションはDAWへエクスポートすることが可能です。
これも方法はとても簡単で、画面右下にある「Export」の項目から行います。
下部にある「Prepare for Drag&Drop」のボタンを押した後、
手のひらアイコンをドラッグしてDAWのタイムラインなどにドロップするだけです。
ちなみにPrepare for Drag&Dropを押して作成されたオリジナルファイルは、
SoundWeaverのプロジェクトフォルダ内に生成されています。
エクスポート機能は、ただ単に現在のバリエーションを生成するだけでなく、様々なオプション機能があります。
- Mixdown ・・・すべての素材をミックスした1つのファイルを生成する。
- Group・・・Groupごとに分けてファイルを生成する。
- Track・・・各素材1つずつのファイルを生成する。
- Randomize Variation・・・エクスポート時にランダマイズして生成する。
- Snapshots Variation・・・作成したスナップショットの設定ごとに生成する。
- Current Variation・・・現在の設定を生成する。
- Variation・・・Randomize Variationを選んだ際に、いくつランダムファイルを作るか指定できる。
- Randomize Pitch・・・チェックを入れるとエクスポート時にピッチをランダム化して生成する。
- Randomize Position・・・チェックを入れるとエクスポート時にポジションをランダム化して生成する。
これらのオプションを組み合わせると、非常に効率的に効果音のバリエーションを得ることができます。素晴らしい。
効果音のバリエーションをより簡単に。
以上、SoundWeaverのファーストインプレッションでした。
ゲームの効果音制作ではキャラクターのアクション1つに対して、
効果音を複数のバリエーションで作り、ランダムで再生することが多々あります。
例えば、刀の斬撃音や攻撃が当たる"ヒット音"は何回も連続で再生するシチュエーションが考えられます。
このときに同じ素材を何度も鳴らすと非常に機械的な音になり、不自然さが際立ちます。
音にバリエーションを持たせることでこうした問題は解決できます。
SoundWeaverを使えば、こうした作業も非常に効率的にできるだけでなく、
自分では思いつかなかったような組み合わせも得るチャンスが増えるように感じました。
これは既存の効果音ライブラリから組み合わせによって新しい効果音を得られるので大変刺激的です。
さっそくこれからの効果音制作に取り入れていきたいと思います。
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