ゲーム効果音を再生するときに起こる『単調』とは?
格闘ゲームやアクションゲームでは、高速で効果音が連続再生されることが多々あります。
そうした場面で、一つの音だけを使っていては聴いている側は単調さと規則性を感じて聴きづらくなることがあります。
例えば、格闘ゲームで連続ヒットする乱舞技を放ったとき、
一つのヒット音だけを連続で鳴らすとマシンガンのように機械的な音に感じられます。
そんなときにこの方法を試してみてください。
ここでは、”効果音を単調に感じさせない”考え方を共有したいと思います。
『単調と刺激』
これは効果音に限った話ではないのですが、
人は、規則性のあるものに「単調さ」を感じやすく、不規則なものに「刺激」を感じます。
例えば、
- 曲の始まりにバスドラムだけが「ドッドッドッドッ」と30秒も続くような曲は退屈です。
- 羊が1匹、羊が2匹、・・・と数えるのは単調で眠気を誘います。
ところが下記のようになると感じ方が変わります。
- 最初の1小節にバスドラムだけが「ドッドッドッドッ」と鳴り、2小節目からシンバルとスネアドラムが入ってきた。
- 羊が1匹、羊が2匹、牛が1頭、羊が3匹、牛が2頭・・・
刺激と変化を感じて単調さは感じにくくなります。
単調さと刺激さの『バランス』
どちらが良いというわけではなく、双方のバランスが大事だと思うのですが、
「単調さ」を感じた時点で、そのバランスは崩れているはずです。
そのバランスが良い場合は、「単調さ」を感じないからです。
「単調」ばかりだともちろん単調ですし、「刺激」ばかりが続くと今度はそれすらも規則的に感じ「単調」に変わってしまう。
難しいですね(笑)
『核』となる音
そういった心理を理解すると、ゲーム効果音にもこの方法が使えます。
具体的には、一つのアクションに対して
3種類以上のバリエーションを持った素材を用意し、ランダム再生を行います。
その際、均等にランダム再生するのではなく、「核」となる音の発音確率を高くします。
ここが重要です。
もし完全ランダムにした場合どうなるかというと、
聞いている側に「混乱」を与える結果になってしまいます。
さっきの例でいいますと、
「バスドラム」という「核」があるからこそ、シンバルとスネアが入ってきても
バリエーションを感じ、刺激を感じることが出来ます。(2小節目の時点では)
「羊」を数えることが「核」だからこそ、「牛」を突然数えると刺激に感じます。
これを無視して完全なランダムにしてしまうと・・・
想像しただけで、混乱しますね。
つまり、
「核となる音を定め、それを基準に複数作成したバリエーションをランダム再生する」
ということです。
こうすることで、しっかり核となる音を感じさせつつ、
単調さを回避でき、退屈を感じにくくすることが出来ると思います。
※ただしこれは、ピンポイントな視点からお話しています。
実際には少し引いて、ゲーム全体の中でのバランスを見ることが必要です。
いかがだったでしょうか?
今回のお話は、私自身の経験談でもありますので、
効果音に単調さを感じる悩みをお持ちのクリエイターさんは、是非参考にしてくださいね!
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